メーカーがニューモデルを発表する前には海外で(特に輸入車の場合)試乗会を行うケースが多い。今も行われているようだが、2000年以降の試乗会はいわゆるビジネス・トリップで、時間を最優先する。そんなわけだから夕方日本を発ってその日の夜に現地入り。そこで夕食と懇親会を兼ねてパーティー。翌日試乗してその日の夜再度メーカーのエンジニアと懇談をしてその翌日は日本へ向けて出発。都合2泊4日というケースが多い。
でも昔はそうじゃなかった。試乗会は大体1週間程度が当たり前で、試乗も3日ぐらい連続で行われるのが当たり前だった。そしてコースも風光明媚なところが選ばれ、豪華なホテルに泊まらせてもらったりした。役得と言えば役得であったと思う。
そんなお金をかけた試乗会の最たるものがボルボ780の試乗会だった。少なくとも私が体験した試乗会の中では最高にお金がかかっていたように思う。
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●当時のボルボとしては異例に高価なモデルだった780
日本を発って最初に行ったのはジュネーブ。モーターショーのプレスコンファレンスを見るためだ。そこでボルボ780が発表された。
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●ジュネーブショーのショー会場はこんな感じ。
そして2日目はジュネーブから陸路でトリノにあるカロッツェリア・ベルトーネを訪問。780はベルトーネの作品だったからだ。そこでヌッチオ・ベルトーネを表敬。まだご本人が存命だった。
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●ボルボ780の傍らに立つヌッチオ・ベルトーネ御大
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●ボルボ780に付くベルトーネのエンブレム
その後そのままイタリアからフランスのサントロペまで南下して、一泊。翌日は地中海沿いにモナコまでドライブ。宿泊はモナコ・グランプリのローズヘアピンで有名なホテル・ローズだった。海沿いのホテルは当然オーシャンフロントがより高い部屋なのだが、ローズの場合はヘアピン側が高かったそうだ。
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●ホテル・ローズのベランダからの眺め
夕方ホテルについて宴会。翌日はモナコを堪能した。ホテルといい、コースといい、実にゴージャスな試乗会だった。この時は確か5泊7日程度だったように記憶する。基本当時の試乗会はすべて1週間が相場だった。そもそも、試乗会そのものが今と違って単にクルマを評価するだけでなく、ヨーロッパの文化を交えて体験して欲しいという意図があった。アメリカの場合も同じだった。
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●ここはF1コース。1コーナーを抜けて駆け上がっていく坂だ
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●カジノコーナーの手前。通常はこんなにたくさん車が止まっている
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●今も昔もこの辺りがピット及びパドックエリアになる
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●海側から見たホテル・ローズ。この下がモナコグランプリのトンネルである
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●トンネルを抜けて下りの坂付近の景色。モナコはやはり最高のF1の舞台だと思うのだが…