常設サーキットとしてのニュルブルクリンクができたのは1927年で、最初のレースはモーターサイクルのレースだったという。そのニュルブルクリンク誕生50周年のイベントが、1977年にあり、メルセデスベンツの全面協力のもと、盛大に開催された。
勿論集まったのはメルセデスばかりではない。BMWやアルファロメオも博物館から車を持ち込んだが、メルセデスほどの量ではなかった。しかもメルセデスは博物館から車を持ち込んだだけでなくそれを当時ドライブしたドライバーまで参集させて、当時と全く同じように全開でニュルブルクリンクを走らせたのである。
●サーキットが完成したニュルブルクリンクで初めて開催されたのはモーターサイクルとサイドカーのレースだったそうだ。
たまたま当時はドイツに住んでいたので、こんなチャンスは二度とないからミュンヘンからクルマで遠いアイフェルのサーキットまで足を運んだ。因みにニュルブルクリンクを訪れたのはその時が初めてだった。
メルセデスが全面バックアップだったから、メルセデスの出る幕は多かった。まずは新旧(当時)のメルセデスがサーキットをパレード。そして最大の見せ場は全世界から集まった300SLのパレードラップだった。コースを埋め尽くした300SLの数は少なく見積もっても50台以上。これほどまでの300SLを同時に見たのは後にも先にもこの時だけである。
パレードランの前後にはカテゴリー別のレースが展開されたのだが、たとえ博物館から来た車でも手抜きはなく、全開である。おかげでメルセデスの博物館からやって来た1台のF1マシンはスピンして後部を大破したし、木骨のモーガンだったかはほぼスクラップになったものもあったし、マシントラブルでピットインは枚挙に暇なしであった。
●ロータリーエンジンのC111など新旧メルセデスのパレードがあった。下の写真はホームストレートを埋め尽くした300SL。とてつもない量だった。
このイベントにご一緒したのはオペルで辣腕を振るっていらした児玉英雄さん。それにテクニカルイラストレーターとして大活躍の大内誠さんのお二人。
静寂の戻ったサーキットで記念撮影をした。その前だったか後だったか、私と児玉さんはほぼ同時にあっ!と叫んで走り去った。お互い全く逆方向に、である。そしてしばしの後再び合流。児玉さんはスターリング・モスを見つけ、私はファン・マニュエル・ファンジオを見つけてサインをもらいに行ったという次第だった。他にもポルシェのハンス・ヘルマン、メルセデスはカール・クリンクやヘルマン・ランクといった。戦争を挟んで活躍したドライバーたちもやってきていた。(サインはもらっていないが)
そして、サーキットの外にも滅多にお目にかかれないようなクルマが山のように来ていた。今回はじっくりと写真で見て頂こう。
●イベント後に3人で記念撮影。
●アッ!と叫んで走った先にいたのがこの人。ファン・マニュエル・ファンジオである。胸にサインをもらっている男性の次に私がサインをもらった。
●そして今もお宝となっているファンジオサインがこちら
●BMWが持ち込んだ1940年製の328ミレミリア(右)
●アルファロメオはこのトランポで数台持ち込んでいたが、どれが博物館のクルマだったかは不明。
●左のアルファがたぶん博物館から来たモデルではないかと思うのだが…
●メルセデスが持ち込んだ300SLR。#658は本来ファンジオがドライブしたマシンだが、この時はスターリング・モスがドライブした。
●そしてご本人、スターリング・モス
●ほかにメルセデスはこのW196、など数台のフォーミュラマシンを持ち込んだ
●そのW196に乗り込むのはカール・クリンク
●こちらはW125
●こんなバトルが見れたのも当時ならではだったと思う。
●オーバーヒートでピットインしてきたブガッティT37
●フェラーリ250TdF vsメルセデス300SL
●中央でこちらを向くのはポルシェのハンス・ヘルマン